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・2013年もヘタレて生きてます。

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Bunzo漫遊譚 ~あなたの娘など知らない~
どことも知れない場所、下町。
井戸の底は大海に繋がり、町の大樹を潜ればいずことも知れない塔の中。
ここはどことも知れない場所。
いずれから繋がったのかも定かでなければ、訪れる者もいずかから来たのか、定かではない。
ただ、表向きは平和な町である。




「ちっくしょう、何が平和だ…」


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俺はボヤきながら、ヘリオス塔の一角で奮闘していた。
相手はスクラット…とかいう、おもちゃなんだか生き物なんだかよく解らない鼠。
よく判らない存在のくせして、食べるものはしっかり食べるようで…
ちゃっかり米をくすねてはため込んでいるらしい。
それを目当てに退治に来たのだが…
そのいきさつを考えれば考えるほど、何故ここに自分がいるのか判らなくなる。

…ホントに、何でこんな事に…?

ヒドい肩こりに悩まされつつ、鼠を退治しつつ…
俺はとりとめもなく回想に耽っていた…


「うー、まだ肩こりが取れないな…」


等とボヤきながら、腕をぐるんぐるんと回してみる。
古い故郷のメイプルアイランド、その中央には大きな洞窟が口を開けている。
その中ほどに、冒険者の為の休憩所のような集落…スリーピーウッドという場所がある。
集落の住民、クリシュラマとサビトラマが元々しかつい顔をさらにしかめて
「何か来る、何か来るぞぉぉぉ」
と、肝心な所が全然分からない予感を感じていたので、その集落の奥深くに調べに行ったのだ。
すると、今までに無かったような場所が開けており…見たことも無いような新種のゴーレムが押し寄せてきたのである。
臆して遅れをとるような事はなかった。狩り応えも良く、小気味良いぐらいのテンポでサクサクと倒していけたのだ。ただ…

「ちょっと調子に乗って狩りすぎたかなぁ…ぁ痛ててて…」


狩れども狩れどもきりが無い。それに機嫌を良くして、少々無理をしたのが祟ったのかも知れない。
俺は、酷い肩こりに悩まされていた。
何せ相手はゴーレム、石の塊だ。動物を叩くのとは訳が違う。
それを幾千と狩った為に、随分な反動が来ていたらしい。

その体を養生させる為に、ちょっと下町で休んでたんだけど、一向に良くなる気配が無い。
逆に体を動かせば多少は変化するかと思って、妖狐退治にも行ったけど、変化無し。むしろ悪化。
「何で執拗にアタイ達を狙うんだィ!?」と激昂した狐達に、「肩こり治し。」って答えた時の呆然とした顔は見物だったけど…
あの腑抜けた顔を見たって、別に容態が良くなる訳は無し…
こうして、肩をぐにぐにと揉みながら、ぶらついている訳である。

あー…まったく、

「まいったなぁ…」
「まいったのぅ…」



…。

え?

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顔を上げると、同じような困った顔つきの男性が一人。

「…これはどうも」
「…うちの小町は貴方のような方にはあげませんよ」
「いや聞いてないですって」
「では米をお貸し願えませんか」
「どこまでも一方的な話をしますね貴方」


…あまり聞きたくなかったが…聞いた話によるとこうだ。
彼の名前は清玄。小町という一人娘がいる身だ。
最近彼の目が悪くなってしまい、眼鏡が必要になったとの事。
それを揃える為の金を得るため、何処かに出稼ぎに出てしまったという。
そして、運が悪いことに今、この下町に眼鏡売りが来ているのだが、
彼の手持ちの金ではとても買えないとか…

「それはお気の毒な…」
「ああ、今ここに…」
「娘さんがいたらね…」
「…何言ってるんですか?娘がいても眼鏡が買える保障は無いんですよ?」
「…」
「それよりも米です、米が欲しい…」
「…」
「米があれば、300ほどの米があれば、あの眼鏡が買えるというのに…!」
「あの…娘さん、どーでもいいんですか?」
「何て事をおっしゃる!そんな訳無いでしょうが!しかしだ!眼鏡を買う機会はもう無いかも知れないのですよ!
それに、帰って来た時に眼鏡をすでにかけておけば娘に無用の心配をさせる事も無いでしょう!」
「はぁ…親の愛ってのも色々あるんですねぇ…」


正直、この辺でどうでも良くなってたのは事実。
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「という訳で、米を300程お願いします」
「はぁ… …はぁ?」
「ですから、米です。300程の」
「いや…あの…」
「確か聞くところによれば、どこぞの塔の鼠共がため込んでいるとか。きっと奴らを退治すれば、米も見つかるでしょう」
「…あの…」
「ああ、早くしないと眼鏡売りの人がどこかへ行ってしまうかも…お願いします、一刻も…」
「なんで俺が米集めしないといけないんですか?」

「…じゃあなんで私に声をかけたんですか」
「いやかけるにはかけましたが別にそういう話欠片も無かったですし…」
「それじゃこの私を、ひいては私の娘も見殺しにすると!そう仰るのですか!」
「いや、そんなつもりで言ったんじゃないですけど…ただ、何で俺が集めるのかなー、と」
「そんな心構えでは小町はお任せ出来ませんな!」
「欠片ほどもくださいとは申しておりませんが」


…まぁ、結局…断り切れずというか、逃げるようにというか。
勢いで請け負ってしまったのである。
肩こりも酷いというのに、これも酷な話ではあるが…仕方無いのかなぁ。

「まぁ、今更だよな…さて、米だ米っと…てぃ!」


べしん。ちゅぅ。

簡単に消し飛ぶ鼠達。よくよく落としたものを見てみれば…?
お、あった!

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コレだ!

確かに中身の詰まった米袋が落ちている。いそいそと回収。
…しかし…コレ、誰が袋に入れたんだろう…まさか袋毎強奪したとは思えないし…
そうすると、コイツらが袋に入れて保存してたんだったりして…
だとするとちょっと可愛い(*ノωノ)

等と考えつつも狩りは続く。

続く。

つづ…

…。

おかしい。全然集まらない…?
結構な数を狩ったはずだけど、それに見合うほどの米は無い…

よくよく辺りを見てみれば、

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これだけ狩ってやっと一つ…そりゃ集まらない訳だ。
しかし、今更断る訳にもいかないし…というか何言われるか判らないし…



「まいったなぁ…」


そうつぶやきながら、狩る他は無いのだった。


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「全くもって遅いな…米はまだかな…」




「た、ただいま…」
「おお!貴方は!して、米の方は…?」
「…はい、300の標準米…」
「おお、素晴らしい!助かりました!これで眼鏡が買えます!」
「あはは…それは…よかった…」
「これはもう、何かお礼をしなくてはなりませんな!」
「はぁ…お礼とか…もうお腹一杯……お礼?」
「そうですとも!私の娘、小町の孝行ぶりをしたためた秘蔵の書物を差し上げましょう!」

「…」

「…あ、あの?どちらへ…もしも…」


一応、受け取っておいた。断ったら何を言われるか判ったモンじゃない。
もう、疲弊しきっていた。小さい鼠を無理して狩り続けたから、肩だけでなく、腰にまでキている。
しばらく寝よう。忘れたように寝よう。寝倒そう。

明日は良い日でありますように…

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original quest by "清玄のお願い"

  ・下町NPC、清玄に話しかけると発生。条件はLv35以上。

  ・ヘリオス塔にいるスクラットを倒すとドロップするようになる、標準米を300個集める。
   ドロップ率はそれほど良くないので、300集めるのには時間が掛かる。

  ・300個の標準米を持って、清玄に話しかけるとクエストクリア。

◎報酬

  ・「孝行娘 小町」の昔話本
  ・EXP 5700  ('A`)


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・追記
   昔話本をヘリオス塔のNPC、司書ウィズに持っていくと
   報酬として「どろ~りチーズ30個」「経験値5000」が貰える。

by boardtrick | 2006-06-14 14:38 | めいぽ考察
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