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・2013年もヘタレて生きてます。

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盆休み、それを感じる日
母親を乗せて、近所のスーパーへ車を走らせる。

外は降るとも降らぬとも言えない天気。
でも、少しなら持ちそうな天気。

とにかくこの時期は暑い。
降りそうで降らないとなると尚のこと暑い。

…それなら…

「ちょっと、走ってくるわ」

家に帰ってからそう言い置いて、自室に向かう。
軽めの黒いカーゴパンツを履く。
部屋をひっくり返してたら出てきたウェイトを足首に巻く。
麦茶を一杯飲み干したら、カーゴパンツのポケットには携帯だけを放り込んで外に出る。
走るのに眼鏡は要らない。置いていこう。

ゆっくり走ろう。どっちに行こうか。

無意識に、あまり騒がしくない通りを選んでいた。
すぐ横手には青々とした水田。
家のすぐ前にあったのは何年前の事だろう。
目の前にすっ、と伸びる直線の道路。車はめったに通らない。
走って、走って、息があがったらちょっと歩いて。
道なりに行けば、琵琶湖沿いの国道だった。
汗を拭いながら考える。

やっぱ、やかましい所はいいや。

山の方へとまた走り出す。
目指すのは、バイパス。
体力に自信など微塵も無い。
すぐにまた息が上がっては、歩きに変える。
降りそうな灰色の雲は、いつしか姿を消していた。
代わりに、くっきりと影を地面に映し出すほどの陽光が降ってくる。

あちぃ…

分かり切った事、それでも口にせずにいられない言葉を吐きながら、ふと辺りを見る。
気付けば随分山の方に上ってきた。
眼下には、田んぼと畑と、あぜ道と。
空には白い雲がばら撒かれている。
入道雲らしい入道雲を、もう何年意識して見ていないだろう。
今年はまだ見られるのだろうか。
ふわり、と風が吹いているらしい。吹き付けても全然涼しくないのが笑えた。
もうすでに汗が全身から吹き出している。
ふと立ち止まってみると、その風の恩恵すら得られなくなった。
カーゴパンツの中がサウナ状態なのが嫌というほど判って、慌てて走り出す。

どうして、走ろうなどと思ったのだろう。
どうして、勝手に思い浮かべるのだろう。
俺は随分と寂しがり屋らしい。
盆休みだなぁ…そんな事をふと感じた。

登ってきたら、あとは下るだけだ。
街路樹のアーチが凄く綺麗に見える。
車で走っていた時にはそんな事を感じなかったというのに…

家までは一気だった。
へろへろでぜぃはぁと荒い息だったが、気持ちいい。
汗は次々と噴き出して止まらないが、悪くない。

自室に飛び込んでは下着をひっつかんで引き返す。
風呂場にその足で直行したら、後は風呂の残り湯に入るだけだ。

堪らなく気持ちいい。火照った体にこれは堪らない。自然と笑いが出てくる。
何もしてないのに、何て贅沢な時間を得たのだろう。

何時だったっけな。最後にこんな風に、夏を感じたのは。
こんな事が似合うのはせいぜい高校生までだろう。
結局は、まだガキ臭いという事なのか。

でも、それでもいいか。たまんねぇや。



風呂あがりの素麺が美味かった。
by boardtrick | 2006-08-18 01:29 | 現実で色々
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